少し前の話にはなりますが、毎年恒例にしている鈴虫寺への参拝を今年も無事に済ませることができました。
お寺の入り口にいらっしゃるお地蔵様にはもう何度もお願い事を叶えてもらっているので、参拝時にはいつも感謝の気持ちを伝えつつまた新たなお願い事をして帰るというのが私のスタイルです。
願いを叶えてくれるお地蔵様がいる鈴虫寺
鈴虫寺は京都市西京区にある臨済宗のお寺で、願い事叶えてくれる日本でもとても珍しい草鞋(わらじ)を履いたお地蔵様がいらっしゃるお寺です。
鈴虫寺と呼ばれていますが正式名称は妙徳山華厳寺(みょうとくざんけごんじ)といい、宝永六年に鳳潭上人(ほうたんじょうにん)が入寺され正徳五年に『華厳寺』と寺号を改められてから約300年が経ちました。
私がこのお寺に毎年お参りに来始めて、早20年。
いつ来てもたくさんの方が日本各地からお参りに来られています。
お寺の入り口までには80段もある石段を登っていくのですが、その際には周りに生息している四季折々で楽しめる木々からこぼれる日の光や心地よい風を感じながら登ると、とても気持ちが落ち着いてきます。
特に新緑の季節はとても心地良い風が吹き抜けていくのが最高です。
お願い事を叶えてほしい!という逸る気持ちはよく分かりますが、少し一息ついて周りの景色を楽しむという心の余裕を持ちたいものですね。
鈴虫寺と呼ばれている由来
正式名称は華厳寺なのになぜ鈴虫寺と呼ばれているのかというと、こちらのお寺にはお説法が開かれる『客殿』に約3,000匹もの鈴虫が大切に飼われているからです。
戦後まもなく乏しい食べ物や住む場所もままならなかった頃、当時の住職だった台厳和尚がある夜に外で鳴いている鈴虫の音色を聞きながら人々の荒み切った心では復興なんてできない、せめて心だけにでも少しの癒しを与えたい…そんな思いからどうすれば一年中鈴虫を鳴かせることができるかということを研究されたそうです。
台厳和尚の強い思いで始めたこの努力はなんと28年もの歳月を経たのちにようやく成功し、あれからおよそ80年にわたって鈴虫の飼育が代々受け継がれてきました。
これが鈴虫寺と呼ばれている由来なんですね。
シーズンによっては2~3時間待つことも
鈴虫寺といえば長蛇の列が出来て最高で5時間待った!!なんて話もたまに聞くのですが、土日祝日のほかに卒業旅行やゴールデンウイーク、夏休みなど、とにかく休日の参拝は階段下まで長蛇の列ができていることが多いようです。
私はいつもシーズンを避けて平日にお参りに行くことが多いので、そこまで待ったことはありませんが、休日にしか行けない!!という方は少し心づもりをして行った方が良いでしょう。
お寺や駐車場には小さいながらもお手洗いがあるので、そこはちょっと安心できるところですね。
鈴虫寺のお説法とお守りの受け方
さあ、いよいよお守りを受けてお地蔵様にお参り…といきたいところですが、いきなり行って『お守りください』ではお守りを受けることはできません。
どんなに時間がなかったとしても、これはとっても失礼なことなので絶対にやめましょう。
なんなら怒られます。
まず客殿の入り口でお説法料500円を払ってから客殿でお説法を聞いた後で、最後にお守りを授かることができます。
ちなみに返納するお守りやお札がある場合は、入り口でお金を払う時に一緒に渡してください。
お説法は住職様と副住職様が交代でお話しされます。
内容はその時々で様々ですが、人間の道徳として大切なお話を笑いを交えながらお話してくるため退屈ではありません。
時折、参拝の方に向けて質問をされたりするので楽しくお説法を聞くことができます。
でも心に沁みる良いお話を聞くことができるので、ぜひ耳を傾けて日々の自分自身を振り返ってみてくださいね。
きっと何か大切なことに気付けることがあると思います。
お説法の話の中にはお守りについて大切な話とお地蔵様へのお願いのやり方の説明もされるので、そのためにも時間に余裕をもって参拝するようにしましょう。
ちなみにお説法は30分。お茶とお菓子を用意して丁寧におもてなしをしてくれます。
お守りの有効期限は1年間
お願い事を一つだけ叶えてくれる鈴虫寺のお守りですが、1年間の有効期限があります。
どこの神社のお守りもほぼほぼ1年間の有効期限ですよね。
これはあんまり長く同じお守りを持ち続けていても効果がどんどん弱くなってくると言われているからだそうで、私は毎年、旧正月の開けた2月上旬に前の年のものと入れ替えに行っています。
そんなこんなで約20年以上も毎年鈴虫寺へいそいそと通うようになりました。笑
鈴虫寺の御朱印
鈴虫寺の御朱印はこちらの大日如来様のものとなっています。
通常の御朱印に加えて、この記事を書いている2025年現在、開山300年を記念して3種類の特別な御朱印を授かることができます。
というのも、この華厳寺が創建されてから令和5年で300年、そして令和20年には開山鳳潭上人の300年遠諱を控えているとのことです。
ということは、令和20年までこの特別な御朱印を授かることができるかもしれませんね。
特別な御朱印はこちら
▼大日如来様
▼宝冠釈迦如来様
▼幸福地蔵菩薩様
この御朱印が出た頃は無地だったのですが、住職様いわく昨年の秋にお寺の庭にある紅葉がとても美しかったということで、今は可愛らしい挿し絵が付いたものが登場しました。
ちなみに今回授かったものはウィンターバージョンとのことで、カワイイ雪だるまが描かれていました。
雪だるまの隣に小さく鈴虫の絵も描かれていますね。
こんなの出されたら春夏秋冬で集めたくなってしまう…。
実際の体験談
前述で鈴虫寺に毎年通い始めてから20年と書きましたが、毎回違うお願い事を1年に一度お願いしてきた中で、もちろん叶えてもらったお願い事は何度もあります。
数ある中から3つ抜粋しますね。
絶対に無理だと思っていた彼と復縁した
これは鈴虫寺に通い始めて2年目くらいの時の話ですが、当時の私にはもう大好きで大好きでこの人がいなかったら生きていけないと思えるくらい大切な彼がいたのですが、好きすぎてうまくいかない…という若気の至りでしょうか、振られる時も情けないほど食い下がったものの残念ながらお別れしてしまいました。
当時の私はどうしても諦めきれず、どうにかこうにか復縁したいと願うようになり藁にもすがる思いでお地蔵様にお願いしました。
どうかどうか、もう一度私に彼と一緒に過ごせるチャンスをください。
周りから見ても絶対に復縁はありえないという絶望的な状況だったにもかかわらず、それから3ヶ月後に友人宅で開かれた鍋パーティをきっかけに復縁が叶ったのです。
最終的には相手の浮気が発覚して1年後にあっさり別れたのですが、あの復縁は今思い返しても奇跡に近い出来事でした。
安定した職につけた
これは10年ほど前のお話で、当時は派遣社員で色んな会社を転々としていた私。
会社の都合に振り回され給料が安定しない中、このままで私の人生大丈夫なんだろうかととても不安に陥ったことがありました。
いい加減にいい歳だし、そろそろちゃんと地に足をつけて安定した生活を送りたいと願い始めた頃、お地蔵様にお願いをしました。
どうか安定した生活が手に入りますように。正社員として働けますように。
すると数ヶ月後、派遣期間の満期を迎える頃に派遣先の社長自ら「もう正社員になっちゃえば?」と予想外のお言葉を頂いたのです。
何の予兆もなく突然の申し出にかなり驚きましたが、その場で「ありがとうございます!!」と即答。
晴れて正社員になるという願いが叶ったのです。
とてもいい職場で、福利厚生が充実しているうえにボーナスがかなり出るおかげで今ではあの頃とは比べ物にならないくらい安定した穏やかな日々を送っています。
人生がどんどん好転した
正社員になってからこれまでの不安定な生活とはお別れして少しずつ生活の基盤を固めていった頃、また鈴虫寺へお参りに行った時のことです。
この時点でもけっこう満たされていたので特にお願い事というものもなかったのですが、せっかくだし何か一つお願い事をして帰ろうと思いました。
この先の人生、健康で幸せに暮らせる毎日が続きますように。
お地蔵さまはしっかりと叶えてくださっています。
今の私は安定した生活も健康な体も幸せな毎日もすべて手に入れることができました。
人生の平穏と言いますか、それを感じて過ごしていると人生がどんどん好転していっているんですよね。
お給料が上がったり欲しかったものが手に入ったり人間関係がスムーズになったり。
不思議なこともあるものですね。
鈴虫寺までのアクセス方法は?
鈴虫寺は住宅街の奥にあり、初めて車で行った時はめちゃくちゃ迷いました。笑
何せあの頃は今は当たり前についているカーナビもスマホもなかった時代だったので、地図で調べて必死にたどり着いた記憶です。
私は基本的には車で行くのですが、鈴虫寺の近くにはバス停やタクシー乗り場があるのでアクセスはしやすいかと思います。
車の場合ですが、鈴虫寺の階段の横に10台ほど停められる駐車場と参道の入り口付近にパーキングが完備されています。
鈴虫寺の駐車場は一律500円ですが、参拝以外での使用はできないのでご注意を。
公共交通機関を利用して参拝される方はこちらをご覧ください。
京都府民でもない私があれこれ書くより的確です。笑
おまけ:見れたらラッキー☆幸運の〇〇
京都に行った際はぜひとも探してほしいものがあります。
それは街中にはタクシーがたくさん走っているのですが、その中でもクローバーの行灯を付けているヤサカタクシーです。
通常は三つ葉の行灯なのですが、ヤサカタクシー約1,300台の中にたった4台だけ四つ葉のタクシーがあるんです。
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このタクシーを見つけたら幸運が訪れるとにわかにささやかれています。
私は乗ったことがないのですが、幸運にも乗車できた時には乗車記念に乗車証がもらえます。
ちなみに私は何度か見たことがあるのですが、一番テンションが上がったのがバレンタインにしか走っていないピンクのクローバーバージョン!!
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一瞬、気のせいかな?と思ったのですが、間違いなくピンクの三つ葉でした。
名前は『ラブクローバー号』とのことです。
運転中で写真が撮れなかったことが本当に悔やまれます。泣
さいごに
毎年行く鈴虫寺ですが、いつ行っても心が癒されるお寺です。
最初は復縁したいという気持ちから参拝したことがきっかけでしたが、今ではすっかり1年のスタートとして参拝しています。
四季折々の風情が楽しめるのも京都ならでは。
ぜひ一度、足を運んでみてください。
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